サクラマスに関する論文やブログなどを見るとサクラマスの海洋生活は1年程度と記載されていることが多いです。
ですが、サクラマスの中には数ヶ月で海洋生活を切り上げる個体もいます。
このような個体は「短期降海型サクラマス」「戻りヤマメ(地域によって呼び名がちがう)」と呼ばれています。
図1 海洋生活1年程度のサクラマス生活史
図2 海洋生活数ヶ月程度のサクラマス生活史
さらに興味深いことに、回帰マス連絡会伊藤氏によると、冬に降海(回遊)し、翌年の春に回帰するサクラマスもいるそうです。
図3 伊藤氏の調査により見つかったサクラマス生活史
「戻りヤマメ」の場合、その海洋期間の短さから30〜40cmの小型ですが、伊藤氏のおっしゃるサクラマスは数ヶ月の海洋生活にも関わらず50cmを超えるサイズに達するケースもあるそうです。
「短期降海型サクラマス」とは別に「偽銀毛」と呼ばれる個体もいます。
これは、銀毛して海にくだったものの、途中で降海を諦めた個体です。本流にいることが多いので「本流ヤマメ」とも呼ばれます。
「短期降海型サクラマス」との違いは、うっすらパーマークが残っていることです。
余談ですが、栃木県では、サクラマス・本流ヤマメ・戻りヤマメ情報を水産試験場が集めているそうです。
もし、この地域で釣果があった方はぜひご協力を〜!
神奈川でもこういう情報が共有できる場所があるといいですね。(他にないなら、掲示板作ろうかな。)
「偽銀毛」「擬似銀毛」と近いものに「湖沼型サクラマス」があります。
「偽銀毛」と同じように、銀毛して海にくだったもの、途中でダムなどがあり、降海を諦めた個体です。
「偽銀毛」との大きな違いは「湖沼型サクラマス」は海で生活できるということです。(海水に適用できる)
(参考)
井田齊・奥山文弥(2000) サケ・マス魚類のわかる本